光周波数変換

スペクトルのギャップを埋める

進展の目覚ましい半導体レーザー技術の驚くべき成功物語にもかかわらずいくつかのスペクトル「ギャップ」、すなわち波長領域は現在の半導体レーザー技術では直接アクセスできない現実があります。 第二高調波発生(SHG)や和周波発生(SFG)などの非線形周波数変換技術は紫外、青、緑、黄、オレンジ、赤色のスペクトルレンジでレーザー光を発生させることによってこれらの周波数ギャップを埋めることを可能にします。

第二高調波発生 (SHG)

トプティカ社の波長変換レーザーシステムは第二高調波発生(SHG)技術を利用しています。 SHG発生プロセスは波動像または光子像で説明することが可能です。波動像から見た場合、周波数ω1の基本電磁波が非線形光学(NLO)結晶の偏光を作用させます。結晶の非線形性のために偏光は「第二高調波」周波数ω2 = 2・ω1でも振動します。これにより、周波数ω2の電磁波の形でコヒーレント放射が放出されます。

フォト像で見た場合には基本波レーザー波長λ1の2つのフォトンが非線形結晶内で元の波長の半分のλ2 = 0.5・λ1の1つのフォトンに変換されます。 SHG変換効率は基本波の持つ出力、使用される結晶の非線形性、および適切な位相整合など複数の要因により増加する傾向があります。

位相整合

効率的な周波数変換を求める際に非線形結晶内で基本波レーザーと周波数変換された光の屈折率が等しいことが必要となります。波動像においては光伝搬方向に沿って結晶内の異なる位置で発生した第二高調波部分波の構造的な干渉を引き起こします。

光子像においては位相整合は運動量保存を満たします:運動量p1の二つの光子は運動量p2 = 2·p1の一つの光子に変換されます。

通常、位相整合を妨げる遍在する分散を回避するために複屈折結晶および個々のレーザーにより異なる偏光が使用されます。結晶の種類および動作波長に応じて位相整合の微調整は結晶温度または結晶軸と光伝搬との間の角度を適切に調整することによって実現されます。

共鳴増強

トプティカ社の周波数変換システムは最適化されたミラーコーティングを施した小型で堅牢なボウタイ型共振器設計を使用し基本波のレーザー出力を50〜400倍に共振的に高めます。共振器長は基本波の波長に対してアクティブに安定化されています。 Pound-Drever-Hall法を用いた設計は優れた長期安定性を有する厳密な周波数ロッキングを可能にし、基本波レーザのイントラ共振出力を確実に増強します。 またARコーティングおよび温度制御された非線形結晶と共に用いることで市場にける最高の周波数変換効率が達成されます。

第四高調波発生(FHG発生)

第二高調波発生は周波数の二倍化を示しますが同様に第四高調波発生(FHG)は電磁波の周波数が四倍になる現象を示します。通常FHG発生プロセスは各々が標準のSHG発生プロセスを含む2つの連続したプロセスに分割されます。前述のフォトン像において周波数ω1の基本波レーザーの4つのフォトンは最初のSHG発生過程で周波数ω2 = 2・ω1の2つのフォトンに変換されます。第2のSHG発生過程ではこれら2つの光子を周波数ω4 = 2·ω2 = 4·ω1および波長λ4=0.25·λ1の1つの光子に変換されます。 FHG発生過程では合計で4つの基本光子が消滅し1つの光子はエネルギーと運動量の保存に応じて生成されます。

既に多くの実績を持ち確立されたトプティカ社のFHG発生技術ではアクティブに安定化された共鳴増強と位相整合また厳選された温度安定化結晶を内蔵した2つの連続したSHG発生ステージが採用されています。特別にカスタマイズされたTA-FHGシステムでは深紫外 ( DUV ) 191 nmにおけるCWレーザー発振 (Scholz et al., Optics Express 20, 18659 (2012)) 、また193 nmにおいて 15 mW以上の発振に成功しています (Scholz et al., Appl. Phys. Lett. 103, 051114 (2013)).

トプティカ社の周波数変換レーザーシステム

SHG pro

MSHG pro

DL-SHG pro

TOPO

TA-SHG pro

TA-FHG pro